沙漠の基礎知識

沙漠の基礎知識

 陸地の表面積約150億haのうち全乾燥地は52億haで、全陸地の3分の1に相当します。一口に沙漠といってもその種類は様々で、一般的に想像される砂丘に覆われた沙漠以外にもたくさんの沙漠があります。世界の沙漠は、以下の通り4つの要素から分類されます。

1、構成粒子の大きさ
○岩石沙漠・・・大きな岩がごろごろしている沙漠。
○礫岩・・・砂利が全面を覆っている砂漠。
○砂漠・・・砂でできているいわゆる「砂漠」。サハラ砂漠、鳥取砂丘など
○土漠・・・より小さい目の細かな土の沙漠。中国の黄土高原など。
○塩漠・・・土中の塩分が、水の蒸発に伴って地表に露出したもの。

2、降雨量
○極沙漠・・・年間降雨量25ミリ以下。
○沙漠 ・・・同200〜250ミリ。恩格貝はここに入る。
○半沙漠・・・同500〜550ミリ。いわゆるステップ気候。

3、自然的要因
○気候沙漠・・・貿易風の影響で形成。
○海岸沙漠・・・寒流の影響で大陸西岸に形成。
○内陸沙漠・・・高い山脈で遮られた内陸に形成。

4、気候
○熱暑沙漠・・・サハラ沙漠、アラビア沙漠
○温暖沙漠・・・海岸沙漠(ペルー、チリの沙漠)
○寒冷沙漠・・・高緯度(中国)、高海抜(イラン、アフガニスタンなど)
□□□□□□□の地に分布。高原沙漠ともいう。

沙漠の豆知識

1、沙漠とは 雨の降らない地域、乾燥地のことを一般的には呼んでいます。
《中国では沙漠という漢字を用います。日本では砂漠と書きますが、意表文字で表せば”沙"の字になりますので、当協会では今後共沙漠の字を用います。》

A)日本人のイメージにある砂丘の沙漠は、砂沙漠と呼びます。
 それ以外には塩沙漠、土沙漠、岩沙漠と分類しています。

B)日本の地図上にある中国内モンゴル自治区から、北のモンゴル国まで広大に延びている沙漠をゴビ沙漠と表していますが、本来は、ゴビとは石ころのごろごろした状態を示します。
 従って、中国内モンゴルにあるゴビ沙漠(総称)はクブチ沙漠、モウス沙漠、トンゴリ沙漠、バダンジャリン沙漠、テンゲル沙漠など多く10以上に分けることが出来ます。

C)当協会が1991年から植林を行っている恩格貝地区は、クブチ沙漠の中の砂沙漠の一角であり、近くには土漠も有るし、クブチ沙漠の奥地オルドス高原近くに行くと、小石や砂利がごろごろした礫漠(れきばく)=岩石沙漠もある。
 砂丘に囲まれた塩漠も存在する。色々な要因でそうなるのだろう。

 2、一般的に年間降雨量300ミリ程度までの乾燥地を沙漠、600ミリ程度なら半沙漠と呼んでいます。


沙漠はどうしてできた?

沙漠化の経緯

 1、沙漠は南北両半球とも中緯度高圧帯(緯度30度付近)あたりに帯状に分布しております。
 これは貿易風(注1)と、反貿易風(注2)の影響を受け形成されるからです。
これを気候沙漠と呼んでいます。

注1、緯度30度付近から赤道に向かって吹く風。空気中の水分を集め、赤道付近に近づくと多量の雨を一気に降らせる。
注2、貿易風の上層を逆方向に吹く風。からからに乾いた風で、極に近づくと空気は冷やされて重くなり地上に下りていく。緯度30度付近にあたる訳です。


 2、貿易風の影響を受けた上に、寒流の影響を受けた海岸沙漠もある。
アメリカのカリフォルニア州、チリ、ペルーの沙漠、アフリカのカラハリ沙漠、中東ペルシャ湾の沙漠地帯がそれです。

 3、雨の元となる、海からの湿った空気が供給できない為に出来た、内陸沙漠もある。
 中国のタクラマカン沙漠、ゴビ(総称)沙漠、サハラ沙漠の中央部と南部の沙漠がそれです。

深刻な沙漠化

緑の減少と沙漠化

 
沙漠化の進行は深刻です。自然要因に加え、森林伐採や家畜の放牧等人為的な原因で年間600万haの割合で進行しているといわれています。これは、我が 国の九州と四国を合わせた面積に相当します。地球が生命を宿す星として存続するためには、森林の消失、沙漠化の進行をくい止めなければなりま ん。

沙漠化の影響
 
 沙漠化の影響を受けている土地は36億haで、全陸地の25%に相当します。また、全人口の6分の1に当たる約9億人が影響を受けています。沙漠化は、 農地や牧草地に影響し、食料生産の減少を引き起こします。食糧供給の悪化は、飢餓・貧困、難民発生、それによる政情不安などを引き起こし、深刻な問題へと 転じていきます。また、生態系を破壊し、さらに温暖化の進行など大規模な気候変動の一因にもなります。これらは相互に原因因子となり、悪循環を生成し、拡 大を続けます。どこか、悪循環の糸を断ち切らねばなりません。そのために沙漠の緑化が必要なのです。

緑化の可能性と沙漠開発

緑化の可能性と沙漠開発

 不毛の地と言われ続けてきた沙漠は、実は限りない可能性を秘めています。日光と地下水が豊富で温度格差のある沙漠は、耕作地として適しています。実際 に、植林地の恩格貝では、花卉、果樹栽培などを試み、一部商品化に成功した物もあります。降り注ぐ太陽は、太陽光・熱エネルギーとして利用できます。アメ リカのネバダ沙漠などでは、太陽光発電、風力発電などが実用化されています。また、石油、石炭、鉄鉱石をはじめとする地下資源が眠っていて、資源・エネル ギー源としても有望です。
 これら農業や鉱工業など産業の育成には、そこで働く人のための住環境の整備が、まず必要です。つまり沙漠緑化は、沙漠開発の基礎であり、はじめの第一歩 と言えるでしょう。緑化は決して難しいことではなく、場所の選択と適当な設備の投入で実現可能です。そのためには、我々一人一人の正しい沙漠の理解と協力 の持続が不可欠です。


緑化と植林

植林をするには? 《ここでは恩格貝を中心に考える》

 1、どんな所でも植樹は出来ます。しかし、その樹木が育つかどうか?場所と条件によって異なります。

 2、目的は何か!という事です。 樹を植えた!という自己満足のために植えるのか、森を作る為に植えるのかです。

 3、遠山正瑛先生の教えは、「出来る所からする、やさしい所から始め、困難な場所は後回しにする!」です。
「いい時期に、いい場所で、良い苗樹で」というのが当初の教えでした。
 いい時期とは春先(3月末〜4月初)と秋(9月〜10月)でした。

 4、しかし、当協会のスタッフも失敗を重ねて実践していくうちに、真夏の暑い中でも、充分に潅水を行えば100%に近い活着を学び、現在では、3月から11月までいつでも可能になりました。
 しかし、いい時期に植林した苗樹は途中で潅水の手間が要りませんが、その他の時期に植林した苗樹については、約1ヶ月に1度の潅水を、2年間ほど行わないと樹木の成長はない事も判明しました。(場所によっては1年間で大丈夫の場所もあります)
 沙漠での植林にマニュアルはありません、チョッと目を離すと樹木は育ちません。

緑化と植林

 1、沙漠の中で一番面積が広いのが土沙漠(土漠)です。
 土壌が非常に細かい粘土から出来ている沙漠で、中国の黄土高原などはその代表です。黄砂の源でもあります。
 雨のほとんど降らない黄土高原などは、草の苗を用いた緑化活動を中心に行っているのが現状で、水を必要とする樹木の植林は大変な費用と労力が負担になると考えられます。

 2、当協会が行っている恩格貝地域にも土漠があります。
現在は沙藁(サホ)、ニンティオといった潅木が植林されています。ポプラを植林しましたが、活着はとても悪かったです。
 粘土層は硬すぎて掘るのも大変だし、根の成長を妨げます。
やはり保水力の良い砂沙漠が一番仕事のしやすい場所でした。

 3、モンゴルの古い教えに「草原に鍬を入れるナ!」とあります。
草の下の土壌は、アルカリ性土壌が30センチ下にあるからで、それが上に出ると沙漠化するからです。
 最近では、車が走った跡が同様になっているそうです。
従って、植林地を決める際には、現地に生えている草の種類を見極めることも仕事のひとつです。
 草のない砂地が一番良い訳です。
草が多いと苗樹に水分がいかない場合がおこります、潅水しても、草に水をやるような結果になります。

 4、恩格貝では苦豆(クドゥー)や甘草など薬草や羊菜(ヤンツャイ)、沙藁(サホ)、ニンティオといった潅木が飛行機から撒種されて砂丘地に広がってます。
飛砂の防砂の為の緑化活動の一環です。
 この植物の近くではポプラや松、沙刺や砂ナツメなどは育ちませんので避けるようにしています。

 5、草方格:一般的には道路や線路に砂がたまらないように、砂丘の上方をワラや、沙藁の枝で土壌深く差し込み、碁盤の目のようにする防砂作業のことです。
 草方格を作る際に、沙柳(サリュウ)を挿し木で植林する方法と、各種の種を撒種する方法が砂丘地で多く用いられるようになった。これは北京への飛砂を防ぐ為、中国各地の沙漠で行われている。
 最近、沙漠の奥地まで道路が開通したのも影響しているかもしれない。